バス停のおじいさん
今日はとても天気が良い。
お昼頃に、要らない洋服を売りに行った。
(地下鉄代もないくらいお金がなかったから)
んで、査定している間暇だったから外をふらふらしたんだ。お散歩日和だったしね。
お気に入りのコーコーヤの曲をイヤホンで聴きながら、普段歩かないようなところをのんびり歩いた。
そしたら、交差点からちょっと離れたところにあるバス停。そこに、キャスケットを被ってサングラスをかけた背丈の小さいおじいさんが一人立ってて、私にジェスチャーを交えながら
「ごめんね、いま何時か教えてもらって良いでしょうか?腕時計忘れてきちゃって。」
って私に向かって話しかけてきた。
あ、時計忘れちゃったんだ。
ケータイとかも持ってない感じだったから、
それは困るよね。しかも今日は凄く暑いし、いつくるかわからないバス待ってても困るよね。
時間を確認して「今は12:51ですよー」と教えた。すると、「すみません、ありがとうございます」と両手を合わせてお礼を言ってくれた。
その瞬間、なんだか心がほっこりした。
おじいさんと別れてから、10分後くらいに少し離れたベンチに座ってると査定完了の電話がきた。
お店に向かう途中、さっき通ったバス停を振り返ったらおじいさんはいなかった。
無事にバスに乗れたんだね。
あの暑い日差しの中、ずっと待つ羽目にならなくてよかった。
ほんの数秒の出会いだったけど、
こういう一つの出会いって、素敵だなって感じた。知らない人でも、頼ってもらって、ありがとう、って言われることは凄く嬉しい。誰かのために何かしてあげたいって気持ちは、皆少なからずあるんだろうね。
礼儀を知らない無神経な人や、あまりにも図々しい人だったら別だろうけど。
おじいさん、
私に時間を聞いてくれてありがとう。